鉱泉の分類と泉質が決まるまで

新旧泉質名対照表(簡易版)

掲示用(昭和57年) 新-泉質名(昭和54年) 旧-泉質名(昭和23年)
単純温泉 単純温泉、アルカリ性単純温泉 単純温泉
二酸化炭素泉 単純二酸化炭素泉 単純炭酸泉
炭酸水素塩泉 1.カルシウム(&マグネシウム)-炭酸水素塩泉
2.ナトリウム-炭酸水素塩泉
1.重炭酸土類泉
2.重曹泉
塩化物泉 ナトリウム-塩化物泉 食塩泉
硫酸塩泉 硫酸塩泉 硫酸塩泉
含鉄泉 1. 鉄泉
2. (鉄(II)-硫酸塩泉)
1.鉄泉
2.緑礬泉
含アルミニウム泉 アルミニウム 含明礬
含銅-鉄泉 酸性-含銅・鉄(II)-硫酸塩泉 含銅・酸性緑礬泉
硫黄泉 硫黄泉 硫黄泉
酸性泉 単純酸性泉 単純酸性泉
放射能泉 単純放射能泉 放射能泉

とりあえず簡素な表ですが、 実は新旧泉質はもっと細分化していて複雑なんですね。一般に分かりやすく左の掲示用泉質名にしましょうという事になっています。でも温泉好きや、泉質を売りにしている温泉旅館や銭湯等は「新旧泉質名(副泉質含め)」を重視しています。

注)新・旧泉質名の種類、詳しくは新旧泉質名対照表を参照して泡吹いて下さい。

簡単に泉質の分類方法を書いてみる

地中から出てくる水のようなガスのようなものはとりあえず「鉱泉」という事で、ここではタマの庭から鉱泉が湧き出たという仮の謎設定で書いてみますね。

Tama
Tama

おお、庭から水が吹き出したんで調べたら、地中から湧いたのは「鉱泉」みたいやでちょっと調べてみよ。

まず鉱泉を温度で分類しとこか

分類 泉温
冷鉱泉 25度未満
低温泉 25度以上 34度未満
温泉 34度以上 42度未満
高温泉 42度以上

まるっと鉱泉。温泉と言われるのは25度以上。

Tama
Tama

温度で分けられるって話や、湧き出た鉱泉は30度やから「低温泉」ってやつらしい。ぬるくて気持ちいいやつや。

んでアルカリ性か酸性かみとこか

酸性 pH3 未満
弱酸性 pH3 以上 pH6 未満
中性 pH6 以上 pH7.5 未満
弱アルカリ性 pH7.5 以上 pH8.5 未満
アルカリ性 pH8.5 未満

(鉱泉の液性を湧出時のpH値により分類する)

Tama
Tama

この低温泉はペーハーが7.6で「弱アルカリ性」なったやで

鉱泉に入ってる溶存物質総量で分けとこか

溶存物質総量(g/kg) 凝固点
低張性 8未満 -0.55°C以上
等張性 8以上10未満 -0.55°C未満-0.58°C以上
高張性 10以上 -0.58°C未満

(鉱泉の浸透圧を、溶存物質総量または凝固点(氷点)により分類する)

Tama
Tama

入ってたイオンの総量は1220mgやで「 低張性 」つまりこの鉱泉は(低張性・弱アルカリ性・低温泉)というやつや。あと人間の細胞は9000mg/kgな。

入ってたイオンの種類も分けとこか

鉱泉1kgの成分(例)

陽イオンmg / mval% 陰イオン mg / mval%
ナトリウムイオン 300 / 91塩化物イオン300 / 37.5
カルシウムイオン20 / 6炭酸水素イオン500 / 62.5
アルミニウムイオン10 / 3
合計 330mg 合計 800mg

遊離成分(例)

非解離成分mg溶存ガス成分mg
メタけい酸80遊離二酸化炭素30
メタほう酸 10遊離効果水素0
メタ亜ひ酸 0
合計90mg合計30mg

ガス成分は抜いて計測しないといけませんので、1220mg(330+800+90)となります、1kg中で1000mg以上をクリアし「単純温泉」の枠を外れ、イオン成分の多い泉質名になる。

ナトリウム(300)炭酸水素(500)合計値が340mgを越えているので、ナトリウム-炭酸水素泉(重曹泉)が適用されます。

副泉質というおまけ

mval%が20%を越えているものは副泉質として「・」の後に添えられます。塩化物イオンが37.5%あるので「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」という事になります。

Tama
Tama

「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」という泉質になったやで。俗に言う美人の湯。重曹成分つるつる、塩の力でペタペタ保湿。

なんだかんだで泉質分析完了であります

例に出した鉱泉は ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)ですね。新旧泉名の分類は色んな基準を満たしているものが「・」等で区切られ増えるので、あれだけ沢山あるのです。だいたいこういう感じという事でご容赦を!

Tama
Tama

源泉名:タマ温泉 たまの湯
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)
みんな来てな。

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