私的には温泉は気持ちよく入れたらそれだけで効能が期待されると思っていますが、昔から温泉は泉質を分類しており、だいたいこういう感じだという事を見て頂ければと思います。
泉質の簡単説明
単純温泉 溶存物質量(ガス性物質を除く)1g/kg未満、温度25度以上
日本で最も多い泉質で、イオンが1000mg以下で毎日気軽に入れるというやわらかい温泉になる。 単純温泉といっても、特定成分が足りずにカテゴライズされているだけで、ありとあらるゆ香りに湯ざわりがありキシキシからつるつるまで様々です。
単純温泉はとても奥深いのでハマると最も楽しめると思います。
塩類泉 – 溶存物質量(ガス性物質を除く)1g/kg以上含み、温度は不問
イオンが1000mgを越えると塩類泉としての三種類の泉質名が付きます。(陰イオンの多さによって泉質名がかわります)
塩化物泉(塩化物イオン)
日本は塩化物泉が多く、入浴すると塩分が肌に付着し毛穴を閉め乾燥しにくて湯冷めしにくい性質をもっています。味は塩辛く、濃度が濃くなるにつれ苦くなる。
陽イオンにカルシウムやマグネシウムが含まれる含土類ではべたべたするほどの強力な保湿効果。ナトリウムですとさらさら感あるしっとりとした肌になります。
陽イオンでいろいろ変わるので難しいのですが、確かに保湿と言う点で優れていて特にイオンが高濃度の高張性の塩化物泉などは熱が籠もってずっと心臓がドキドキ止まらない。
浴後にずっと暖まっているという点で含土類塩化物泉は飛び抜けています。
炭酸水素塩泉(炭酸水素イオン)
旧泉名は重曹泉、その名の通り炭酸ソーダが主成分となり、つるつる肌の美人の湯で有名です。
炭酸水素塩泉はアルカリ性の泉質が多く、アルカリ成分がタンパク質と反応し角質を洗い流すクレンジング効果があります。毛穴を綺麗にしてくれるので、肌から水分がぬけやすく乾燥しがちです。
浴槽に入る前に体をソープで洗ってしまうと、ぬるつる感は薄くなります。出来れば掛け湯で体を流してから入り、ゆっくりと肌触りを楽しむのをお勧め。温泉で角質などを柔らかくしてからその後に体を洗うようにするといいですね。
ですが、アルカリ&炭酸水素塩泉では体を綺麗にすればするほど浴槽から腕を出したときに温泉が肌に弾けず薄い膜のように張ってしまいます。
その状態では乾燥するので、サウナ等があれば汗をながした後にかるく汗を拭き取るくらいにすると肌が油分や塩分でコーティングされ、つややかな保湿のある肌に戻ります。
無い場合は、保湿クリームなどアフターケアする事をお勧め。
硫酸塩泉(硫酸イオン)
療養泉の性質が強い泉質で、脳卒中の湯、傷の湯と呼ばれています、日本では数が少ない温泉。効能が期待されているのは陽イオンの違いでかわり、ナトリウム(中風)・カルシウム(傷)・マグネシウム(脳卒中)の3種あります。味は苦いです。
漢字を見ると強烈な泉質なのかなと思いがちだけど、まったくそうではない感じ。純粋なのは無色透明で、鉄やアルミが入ると明礬泉や緑礬泉となり療養泉らしい色に変わっていく。
さらさら系で保湿もあり、かさかさ肌を直し弾力を取り戻す、つまり老化現象を抑えくれると言われている。肌がかさかさな人は硫酸塩泉に入浴するのが鉄板と言える。
硫酸塩泉は中性から酸性に向けて多い事もあり、人間の肌は弱酸性であるから肌にも相性がいい。
特殊成分を含む療養泉
含二酸化炭素泉(だいたい塩類泉とセットのためこちらに)
俗に言う炭酸泉はこちらになります。純粋な天然の二酸化炭素泉は非常に少ないので貴重で、九州にある白水鉱泉の黒嶽荘(単純冷鉱泉)が有名、私はまだ行ったことが無いのですが、冷鉱泉9度に耐えられるか否か。
近年は人工の炭酸泉が開発されたので身近になったかと思います。人工の高濃度炭酸泉などは1000mgもの強力な所もありますね、これを越える温度が高いと失われやすい為、ぬる湯38度以下がとても多い。
入浴感は人工炭酸泉でも分かりやすいと思いますが温度に対してポカポカ感が強く肌に爽やかなハッカに近い刺激があります。
含鉄泉(1kg中に総鉄イオンを20mg以上含有)
湧き出た瞬間は無色透明ですが、酸化によって温泉が黄色や赤色、赤褐色を示していきます。関西では有馬温泉などが有名ですね、他には、よかたん温泉、花山温泉等があります。香りはあからさまに鉄棒やフライパン握った手を嗅いだときのよう。ですが、鉄泉の多くは臭素も伴い臭いは独特です。
また含鉄&塩化物&炭酸水素&カルシウムが多めの低温泉を加温や撹拌した際は炭酸カルシウムが大量に生み出され見事な石灰華を形成していきます。
含アルミニウム泉 ( 硫酸塩泉 1kg中にアルミニウムイオンを100mg以上含有)
明礬泉と呼びますが、純粋なものは少なくアルミと鉄の配分で、アルミが多いのは毒沢温泉、恵山温泉、微温湯温泉しかありません、効能は収斂作用(しゅうれん)があり沈痛、止血、防腐などあります。味は苦い。
収斂作用は身近な所で分かりやすいのがタンニンです。渋柿をかじったら口の中のタンパク質が固形化してカスカスに変わってしまう作用ですね。味が苦いのも頷けますね。
また含アルミで鉄が多いとより見た目がより鉄泉に近くなっていく。しかし鉄泉はタンニンと結びつくんですよね。
含銅-鉄泉(1kg中に銅イオンを1mg以上含有する鉄泉)
含銅・鉄泉の旧名は緑礬泉です。銅が酸化すると緑色になり、鉄泉は新鮮な時は緑色を示すからこそ旧名通りの色になっていますね。
硫黄泉
酸性泉 (pHで分けられる)
放射能泉
水素イオン濃度PHによる泉質の違い
陽イオン
だいたいの分け方はこの3種、陽イオンの量によって主にナトリウム、カルシウム、マグネシウムと3種があります。「カルシウム-塩化物泉、ナトリウムー炭酸水素塩泉」という感じでよく見かけると思います。
ナトリウム
カルシウム
マグネシウム